装置設計は製造業の根幹を支える工程で、優れた装置設計は生産性の向上、コスト削減、製品品質の安定化など、ビジネスに良い価値をもたらします。しかし、専門知識と経験を要する複雑なプロセスであり、はじめて取り組む方や経験の浅い技術者の方にとっては難しい課題です。
そこで本記事では、装置設計の基本的なステップから成功のアドバイス、専門家に相談するメリット、外注先の選定ポイントまで幅広く解説します。これから装置設計に取り組む方はもちろん、すでに設計業務に携わっている方もぜひ参考にしてください。
装置設計の基本とは?初心者でも理解できる4つのステップ

装置設計は、一般的に以下の4つのステップで進められます。
- 概念設計
- 基本設計
- 詳細設計
- 生産設計
概念設計
概念設計は装置設計の最初のステップであり、「何を作るか」「どのような機能を持たせるか」を決める段階です。この段階では、「コンパクトで吸引力が強い」といった作りたい装置のコンセプトや目的を明確にします。
概念設計の質は後続の設計プロセス全体における方向性を決定するため、十分な時間をかけた検討が重要です。使用する技術や部品、材料の大まかな検討も行いますが、具体的な図面は描かず、アイデアスケッチやコンセプト図の作成が一般的です。
基本設計
基本設計では、概念設計で決めたコンセプトをCAD(コンピューター支援設計)などのツールを使って図面化します。主に、装置の基本構造や主要な機能の実現方法を具体化します。
CAD図面を作成するだけでなく、CAM(コンピューター支援製造)やCAE(コンピューター支援エンジニアリング)といったソフトウェアを活用し、設計した装置が実際に動作するかのシミュレーションがポイントです。
頭の中のアイデアをデジタル上で形にして、問題がないか確認するのがこの段階の主な目的だからです。もし大きな問題が見つかれば、概念設計に戻って見直すことも必要になります。
詳細設計
詳細設計では、基本設計をさらに具体化し、実際の製造を見据えた調整を行います。安全面、強度、コスト、製作期間、環境への配慮などさまざまな要素を考慮しなくてはなりません。
必要に応じて試作品を作り、実際に動作確認を行うことが大切なポイントです。理想と現実のすり合わせを行い、最適な妥協点を見つけるのがこの段階の課題となります。部品1つひとつの寸法や材質、加工方法まで細かく決定するからこそ、製品の品質や製造コストへの影響を考えて慎重に検討しましょう。
生産設計
生産設計は、量産を前提とした最終的な設計図を作成する段階です。この段階では、以下の要素を細かく決定します。
- 使用素材
- 部品
- 寸法
- 製造方法
製造ラインでどのように成形し、どのように組み立てるかまで考慮しましょう。工場で効率よく生産できるように、すべての詳細を決める段階で、全体に影響しないように慎重に行います。この生産設計が完了すると、実際の製造工程に移ることになります。
装置設計で成功するための5つのアドバイス

装置設計で成功するためには、以下の5つのポイントを押さえることが大切です。
- 明確な要件定義を最初に行う
- ユーザビリティを常に意識した設計を心がける
- 安全性・耐久性を最優先する
- コスト効率を考える
- メンテナンス性にまで目を向ける
明確な要件定義を最初に行う
1つ目のアドバイスは、明確な要件定義を最初に行うことです。要件定義とは、装置に求められる機能や性能を明確にすることです。曖昧な要件定義は後工程での手戻りの原因となります。
例えば「この装置は1時間に何個の部品を処理できるべきか」「どのような環境で使用されるか」などを具体的に定義します。要件定義では以下の4つを基本としましょう。
- 目的・用途の明確化
- 必要な性能・機能の数値化
- 制約条件(サイズ、コスト、納期など)の確認
- 安全基準や法規制の確認
時間をかけて丁寧に行うことで、設計の方向性が明確になり、後工程での変更や手戻りを防ぐことができます。要件定義は装置設計の土台となる工程であり、ここでの不備は後々大きな問題となって表面化することが多いです。
ユーザビリティを常に意識した設計を心がける
2つ目のアドバイスは、ユーザビリティを常に意識した設計を心がけることです。ユーザビリティとは、装置の使いやすさや操作性のことです。技術的に優れていても使いにくければ、その装置の価値は半減してしまいます。
実際に装置を使う人の立場になって、以下のような点を考えてみましょう。
- 操作パネルや表示は直感的に理解できるか
- 長時間使用しても疲れにくい設計になっているか
- 誤操作を防止する工夫を施したか
- 情報は適切に表示できるか
ユーザビリティに優れた装置は、操作ミスの減少、作業効率の向上、ユーザーの満足度アップにつながります。設計段階から実際のユーザーの声を取り入れたり、プロトタイプを使ったユーザビリティテストを実施したりできれば、使いやすい装置を実現できます。
安全性・耐久性を最優先する
3つ目のアドバイスは、安全性と耐久性を最優先することです。安全で長持ちする装置は信頼を生み、結果的にコスト効率も良くなるからです。
安全性については、以下のような点に注意が必要です。
- 危険な部分への接触防止
- 非常停止機能の実装
- 誤操作防止の仕組み
- 安全規格や法規制への適合
耐久性については、想定される使用環境(温度、湿度、振動など)での長期使用を考慮した設計がポイントです。適切な材料選定、構造設計、余裕を持った部品選定などが耐久性向上のカギとなります。
安全性や耐久性に問題がある装置は、事故やトラブルの原因となるだけでなく、修理や交換のコストも発生します。初期段階で十分に考えることで、長期的な信頼性と経済性を両立しましょう。
コスト効率を考える
4つ目のアドバイスは、コスト効率を考えることです。コスト効率とは、単に安い材料を使うことではなく、価格と性能のバランスを考えることを意味します。
例えば、高価な素材でも長持ちして修理頻度が下がるなら、トータルコストは安くなるといった具合です。コスト効率を考える際には、以下の点を総合的に検討します。
- 初期コスト(設計・製造コスト)
- 運用コスト(エネルギー消費、消耗品など)
- メンテナンスコスト(点検、修理など)
- 廃棄コスト
設計段階でコスト効率を考えることで、無駄な機能や過剰な仕様を排除し、本当に必要な機能に集中した装置を実現できます。「何を入れるか」より「何を削るか」の判断が、コスト効率の良い設計には重要です。
メンテナンス性にまで目を向ける
5つ目のアドバイスは、メンテナンス性にまで目を向けることです。ここでのメンテナンス性とは、点検や修理のしやすさのことを指します。
優れた装置は壊れにくいだけでなく、壊れても直しやすい設計になっています。メンテナンス性を高めるためには、以下のような点に注意しましょう。
- 消耗部品へのアクセスのしやすさ
- 分解・組み立ての容易さ
- 点検箇所の視認性
- 部品の標準化・共通化
メンテナンス性に優れた装置は、ダウンタイム(故障で使用できない時間)の短縮、修理コストの削減、装置の長寿命化につながります。設計段階からメンテナンスのしやすさを考えることで、長期的な運用コストを削減できるのです。
専門家から装置設計のアドバイスを受ける3つのメリット

装置設計において専門家からアドバイスを受けることには、以下の3つのメリットがあります。
- 経験豊富な視点で問題点を早期に発見できる
- 最新の技術トレンドや規格に関する知識が得られる
- 設計の質が向上し開発期間の短縮につながる
経験豊富な視点で問題点を早期に発見できる
専門家は豊富な経験があるからこそ、装置設計の初期段階で潜在的な問題を見抜く目を持っています。「この構造だと振動で緩みやすい」「この材料は経年劣化が激しい」といった問題点を早期に指摘してくれます。
- 設計上の矛盾点
- 製造難易度の高い部分
- コスト高になりやすい要素
- 安全性や法規制に関する懸念
などの問題を早期に発見できれば、後工程での設計変更や手戻りを防ぐことができます。経験者の「失敗の知恵」を借りることで、自分で失敗せずに済むというわけです。
専門家のアドバイスは、時として厳しく感じることもあるかもしれません。しかし、それは将来的な問題を未然に防ぐためのアドバイスだからこそ、受け入れつつ設計に反映すると良いでしょう。
最新の技術トレンドや規格に関する知識が得られる
専門家は、装置設計に関する常に新しい技術や材料の情報、業界動向をキャッチアップしています。「この部品なら新素材を使うとコストダウンできる」「この規格が来年改定される予定」といった情報は、専門家でなければ知り得ないことも多いです。
業界標準や規格についての正確な知識も専門家から得られるメリットです。装置設計にはさまざまな規格や基準が関わってきますが、頻繁に更新するため、最新情報の把握はそう簡単にはいきません。
専門家は技術の「今」だけでなく「これから」についても教えてくれる情報源となります。将来的な技術トレンドを踏まえた設計ができれば、装置の陳腐化を防ぎ、長期的な価値を維持できるのです。
設計の質が向上し開発期間の短縮につながる
装置設計で専門家のアドバイスを取り入れると、設計の完成度が高まることもメリットです。設計・強度・機構などの専門的な観点からの指摘により、製品の品質向上につながるためです。
効率を考えた設計プロセスのアドバイスにより、開発期間の短縮も期待できます。無駄な工程の削減や、適切な設計手法の導入など、専門家ならではの知見が開発期間の短縮に貢献します。
専門家のアドバイスは「より良い製品をより早く」実現するための近道です。初期段階での適切な投資は、後工程での手戻りや修正を減らし、結果的にプロジェクト全体のコストと時間を削減することにつながるでしょう。
装置設計のアドバイスを受けられる相談先

装置設計に関するアドバイスを受けられる相談先は多くありますが、設計から製造までを依頼しようとするとすり合わせが非常に大変です。こうした手間を減らせるのが、ワンストップに対応した相談先を選ぶことです。
I-OTA(アイオータ)では、大田区を拠点とする共同事業体で、日本トップクラスの技術と経験を有したモノづくり製造業が多数参画しています。製品企画から試作品開発、設計、加工までをワンストップで提供しており、お客様の課題解決に取り組んでいます。
I-OTAの特徴は、すでに図面をお持ちのお客様はもちろん、アイデアを共に練ってほしいというお客様にも、事業フェーズに合わせたご提案ができる点です。現在のスタート地点を確認し、ゴール地点までの道のりを一緒に考え、最適な解決策をご提案します。
装置設計に関するご相談やお見積りは、I-OTAのお問い合わせフォームから24時間365日受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。
装置設計から製造までワンストップで依頼する5つのメリット

装置設計と製造を同じ会社に依頼する「ワンストップ」方式には、以下のようなメリットがあります。
- 機械設計から最適設計法で進められる
- 失敗を最適なアドバイスで未然に防げる
- コミュニケーションロスが少なくなる
- 問題発生時の修正がスムーズになる
- トータルコストの削減につながりやすくなる
機械設計から最適設計法で進められる
ワンストップ方式では、設計段階から最適設計法の視点を取り入れることができます。最適設計とは、設計条件の下で、ある目的に沿って最適化をはかるような設計のことです。
製造現場の知見を設計段階から反映できるため、設計と製造の整合性が高く、理想通りの装置が実現しやすくなります。例えば、製造しやすい構造や材料を選定できれば、品質向上とコスト削減を同時に達成できます。
このように、「作れない設計」や「設計意図を無視した製造」といったミスマッチを防ぐことができます。設計と製造が密に連携し、理論と実践のギャップを埋め、より実現性の高い装置設計が可能になるのです。
失敗を最適なアドバイスで未然に防げる
装置設計では、さまざまな要因で以下の失敗を生じることがあります。
- 要件定義の不足による設計変更の繰り返し
- 使用環境を考慮しない設計による故障の発生
- 過剰設計によるコスト増大
この失敗の多くは知識や経験の不足が原因であり、後になって「こんなはずじゃなかった」という事態が発生します。ワンストップサービスでは、設計と製造の両方の知見を持つ専門家からアドバイスを受けられ、こうした失敗を未然に防ぐことができます。
装置設計では、「何を入れるか」より「何を削るか」の判断が、コスト効率の良い設計には重要です。この判断には豊富な経験が必要だからこそ、専門家のアドバイスを受けることで、適切なバランスの取れた設計が可能になります。
コミュニケーションロスが少なくなる
ワンストップ方式では、コミュニケーションロスも少なくなるというメリットがあります。設計変更の即時反映できたり、疑問点をすばやく解決できたりするなどです。
設計と製造を別々の会社に依頼すると、情報伝達の過程でミスや誤解が生じやすくなります。設計図の細かな意図が製造側に正確に伝わらず、想定と異なる製品ができてしまうことも想像に容易いです。
ワンストップサービスでは、設計者と製造担当者が直接コミュニケーションを取れるため、コミュニケーションの問題が減ります。打ち合わせの回数も削減でき、プロジェクト全体の効率も向上できるのです。
問題発生時の修正がスムーズになる
装置の設計や製造過程で問題が発生した場合、ワンストップ方式なら迅速に対応できます。責任の所在も明確なので、「設計のせい」「製造のせい」という責任の押し付け合いも起きません。
例えば、以下のような経験はありませんか?
- 設計変更が必要になったが、設計会社の担当者不在で対応が遅れた
- 製造段階で問題が見つかり、設計会社との調整に時間がかかった
- 複数の会社間での連絡・調整に多くの時間を費やした
こうしたケースでも、ワンストップサービスなら迅速に対応できることから、プロジェクトの遅延を最小限に抑えられます。問題解決のスピードと確実性が高まり、プロジェクト全体のリスクも低減します。
トータルコストの削減につながりやすくなる
一見すると分業よりコストが高そうに思えるワンストップ方式ですが、実は以下の要因でトータルコストの削減につながることが多いのです。
- 手戻りの減少
- 打ち合わせコストの削減
- 最適な材料部品選定
- 納期短縮による機会損失の防止
設計と製造の間での調整コストや、手戻りによる追加費用が発生しにくくなります。
設計段階から製造コストを意識した最適化ができるため、無駄な高コスト設計を避けられるのも利点です。見かけの単価は高くても、プロジェクト全体では削減につながることが多いのがワンストップ方式の特徴です。
装置設計のアドバイスを受ける外注先の選定ポイント

装置設計のアドバイスを受ける外注先を選ぶ際には、以下のポイントを押さえましょう。
- 過去の実績と得意分野をしっかり確認する
- 具体的な納期・予算の調整を行う
- 設計途中での確認プロセスを明確にする
- 知的財産権の取り扱いについて事前に合意する
- アフターサポートの内容と期間を確認する
過去の実績と得意分野をしっかり確認する
装置設計の外注先を選ぶ際には、まず過去の実績や得意分野を確認します。自社の装置設計に適した相手かを判断するためです。
精密機器の設計実績が豊富な会社に大型プラントの設計を依頼しても、ノウハウが合わないかもしれません。「何でもできます」と言う会社より、特定分野に強みを持つ専門家を選ぶ方が安心です。
ただし、設計から製造までトータルで依頼したい場合もあります。そういった場合は、I-OTAのような専門各社がそろった共同事業体が適しています。さまざまな分野の専門家がチームを組んで対応することで、幅広いニーズに応えられます。
実績を確認する際には、単に数だけでなく、類似案件の有無や、その成果についても詳しく聞いてみると良いでしょう。
具体的な納期・予算の調整を行う
装置設計の外注では、納期と予算の明確な設定と合意が失敗を防ぐコツです。「できるだけ早く」ではなく「○月○日までに」、「予算内で」ではなく「○○万円以内で」というように、具体的な数字での合意が基本です。
以下のような途中での仕様変更が発生した場合の対応についても、事前に合意しておくと良いでしょう。
- 追加費用の計算方法
- 納期のバッファ
- 変更手続きの流れ
こうした点を事前に明確にしておくことで、後になって「聞いていない」「いっていない」というトラブルを防ぐことができます。契約書や発注書に明記することも、有効な予防策です。
設計途中での確認プロセスを明確にする
装置設計が完了してから「イメージと違う」というトラブルを避けるためには、途中段階での確認プロセスを明確にしておくこともポイントです。
例えば、概念設計、基本設計、詳細設計の各段階で承認を行うというルールを決めておくと良いでしょう。定期的な進捗報告会や、意思決定ポイントでの確認会議なども有効です。
「任せっきり」ではなく「見守りながら任せる」姿勢が基本です。適切なタイミングで確認と修正を繰り返すことで、最終的な成果物の質を高められます。こうした確認プロセスを通じて、外注先との信頼関係も構築できるのです。
知的財産権の取り扱いについて事前に合意する
装置設計の成果物に関する知的財産権(特許、意匠、著作権など)の帰属についても、事前に明確に合意しておくこともポイントです。「設計図の著作権は外注先に残るが、装置自体の特許権は発注元に帰属する」などの取り決めです。
設計過程で生まれた新技術や、改良アイデアの取り扱いについても合意しておくと良いでしょう。あとになって「この技術は弊社のものだ」という争いを避けるためにも、契約書に明記しておくことをおすすめします。将来的に事業展開を考えている場合は、知的財産権の帰属は問題となるからです。
アフターサポートの内容と期間を確認する
装置設計完了後のサポート内容(修正対応、技術サポート、保守など)と期間を事前に確認しておくこともポイントの1つです。
「設計納品後3か月間は無償で修正対応する」「製造段階での技術サポートは別料金」などの条件が挙げられます。製造段階で設計の不備が見つかった場合の対応責任についても、確認しておきます。
重要なのは「設計図を渡して終わり」ではなく、その後のフォロー体制も含めて外注先を選ぶことです。複雑な装置の場合は、設計後のサポートが重要になることが多いため、この点はしっかり確認してください。
まとめ
装置設計は、概念設計から生産設計までの4つのステップを経て進める体系的なプロセスです。専門家からアドバイスを受けることで、問題点の早期発見、最新技術の活用、設計品質の向上と開発期間の短縮といったメリットが得られます。
設計から製造までをワンストップで依頼し、最適設計の実現、失敗の防止、コミュニケーションロスの削減、迅速な問題解決、トータルコストの削減を狙いましょう。
I-OTAでは、すでに図面をお持ちのお客様はもちろん、アイデアを共に練ってほしいというお客様にも、事業フェーズに合わせてご提案可能です。現在のスタート地点を確認し、ゴール地点までの道のりを一緒に考え、最適な解決策をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
機械設計に必要な知識とスキルを身につける方法は?
機械設計に必要な知識とスキルを身につけるには、以下の3つのアプローチが効果的です。
- 基礎となる4大力学を徹底的に学ぶ
- CADなどの設計ツールの操作スキルを磨く
- 実践形式のプロジェクトで経験を積む
一般に「センス」と思われるものも、実は地道な努力で培われるスキルです。継続的な学習と実践を通じて、徐々に設計能力を高めましょう。
機構設計に必要な知識は?
機構設計には、力学(動力学と静力学)の基礎知識が不可欠です。「どのように動かすか」「どのように力を伝えるか」の原理原則を理解することが基本となります。
- リンク機構(四節リンク、スライダクランク機構など)
- カム機構(回転運動を往復運動に変換する仕組み)
- ギア機構(歯車の種類や特性、伝達効率など)
- 材料の特性(強度、剛性、耐久性など)
実際の機械を分解して仕組みを学んだり、シミュレーションソフトで動きを検証したりする実践的な学習も効果的です。機構設計では、理論だけでなく、実際の動きや製造のしやすさも考える必要があります。
設計に必要な能力は?
設計に必要な能力は多岐にわたりますが、主に以下のような能力が求められます。
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- 空間認識能力
- 図面を読み書きする能力
いずれも一朝一夕に身につくものではなく、経験を積みながら徐々に向上させていく能力です。さまざまなプロジェクトに取り組み、失敗から学ぶことで、総合的な設計能力を高めてください。